運動方程式という非常に有名な方程式があります。
ma=F
m:質量
a:加速度
F:力
この方程式を簡単に説明すると
・「質量m」の物体に「加速度a」を作用させるには「力F」が必要
・「質量m」の物体に「力F」が作用すると「加速度a」が生じる
という意味です。
この方程式を重量(重力)、重力加速度に書き換えてみましょう。
mg=W
m:質量
g:重力加速度
W:重量(重力)
この方程式は
・「質量m」の物体に「重力加速度g」を作用させるに「重量(重力)W」が必要
・「質量m」の物体に「重量(重力)W」が作用すると「重力加速度g」が生じる
という意味となります。
重量(重力)を力に置き換えた事で混乱してしまう方はこの様に考えてみましょう。
体重計に乗れば体重は、例えば60Kg重の重量(重力)を指します。
では、体重計から降りて手で体重計を押し、60Kg重を指す様にしてみましょう。
この時体重計を押し付ける「力」が、60Kg重ということになります。
体重計に乗るという行為も、体重計を押し付けているのと同じことです。
ですから、重量(重力)は力と置き換えて問題ないのです。
それでは前述した方程式で、質量60Kgの重量を求めてみましょう。
現状分かっている数値は
m:質量=60Kg
g:重力加速度=9.8m/s^2
です。したがって
mg = 60Kg × 9.8m/s^2 = 588Kg・m/s^2
この時
単位Kg・m/s^2 はN(ニュートン)に置き換えることができます。
つまり
mg = 60Kg × 9.8m/s^2 = 588Kg・m/s^2 = 588N
となるので
質量60Kgの物体の重量(重力)は588Nであると言えるのです。
もちろん前項で説明した60Kg重や60Kgw、60Kgfも間違いではありません。
より専門的に答えると588Nとなるのです。
同じように月の重量(重力)を計算してみたいと思います。
月の重力加速度はすでに世の中では計算されていて、1.62m/s^2
それでは同様に、質量60Kgの重量を求めてみましょう。
現状分かっている数値は
m:質量=60Kg
g:重力加速度=1.62m/s^2
です。したがって
mg = 60Kg × 1.62m/s^2 = 97.2Kg・m/s^2
mg = W = 97.2N
となります。
ではここで、地球の値と比較してみましょう。
地球の重量(重力)= 588N
月の重量(重力)= 97.2N
月の重量(重力)は地球の約1/6であることが確認できました。
ここで、質量、重力加速度、重量(重力)をまとめてみます。
今までの内容を簡単に言ってしまうと
『地球上では質量の9.8倍が重量』
となります。
ご理解頂けたでしょうか?
ただ、私生活では重力加速度は殆ど使わないので
単に重さ〇〇Kgとなります。
前項で書いたように『質量』=『重量』と考えても問題ありません。
物理の勉強している方やエンジニアの方は区別できるようになりましょう。
本ホームページの内容は私個人が覚えている範囲の事を書いています。
したがって、理論的に間違っている内容もあるかもしれません。
最終的には各個人で学んで理解を深めてください。
内容に対する責任は一切負いませんのでご了承ください。